今夜の花火終わるまで

関ジャニ∞が好きな人のただの日記です。

GR8ESTというツアーを振り返る

ただのツアーの裏側ではない、関ジャニ∞が駆け抜けた2018年のドキュメンタリーだった。
そこにいたのは、「関ジャニ∞」という14年をかけて自身が積み上げた大きな壁と真正面から向き合う、6人の姿だった。

 

 

4月25日のスタジオリハーサルから映像は始まる。あの会見の、僅か10日後の事。まだファンが全く前を向けていない時、関ジャニ∞は前を向き始めていた。否、向かざるを得なかった。3ヶ月後に迫ったベストアルバムを引き下げての全国ツアー。そこに療養中の安田くんの姿はない。渋谷さんのパートを振り分けて、手探りのままリハーサルが始まる。新たに主旋律を担当する者が今までハモりをしていれば、自ずと変更点は複数に及ぶ。一つ一つ、確かめるように意見を擦り合わせ、着地点を探していく5人。圧倒的に時間がない事が伝わる。時間がないんですなんて、誰もコメントしていないけど、急ピッチで打ち合わせながら、関ジャニ∞は、関ジャニ∞を取り戻そうとしていた。

 


6月3日のバンドリハーサルからは、安田くんが参加していた。リハーサルの合間にスタジオの床に寝転ぶ姿。立ちっぱなしだと骨に負担が掛かると話す。そんな状態なのに可哀想とか、それでもリハに出てきて凄いとか、そういう事ではない。安田くんもまた、自分と今と未来と、戦っていた。

 

 


7月6日、ダンスリハーサル。ツアー初日の札幌公演は1週間後に迫っている。スタジオの使用時間制限、メンバーの個人仕事がある中で、少しでも多くの課題を整理しようと、積極的に意見を出す姿があった。

7月8日の関ジャム生放送を挟んで、7月9日にはドレスリハーサル。「10分休憩する?」という亮ちゃんの声に頷く安田くん。実際の衣装を着用しての通しリハーサルは、想像以上に辛そうだった。安田くんの体調を考慮できるよう変更をかけながらも、それでも関ジャニ∞は、前を向くことをやめなかった。


亮ちゃんが「一歩先に行っときたい、ファンの人より」と語ったように、ギターを背負っているだけで痛みがある安田くんが「大丈夫じゃないけど、顔を見せて安心してもらいたい。一回中止にするって決めたけど、立ち止まっちゃいけないのが今なのかなって」と語ったように。立ち止まらないことを決意した関ジャニ∞のツアーが、7月15日、始まった。

 

 

 

札幌公演。
関ジャニ∞は、7人の関ジャニ∞を無かったことにしなかった。渋谷さんの名前を出して、横山さんが「すばるに負けない」と言った。渋谷さんがいた時間を、そこで培ったものを、渋谷さんへの今の思いも、包み隠さず話してくれた。初日がどうなるのか分からない不安を抱えていたのは、本人達もファンも同じだった事を知った。「湿っぽくやりたくなかったから」。終演後に安田くんが呟いた。強がりでも虚勢でもなく、そこに嘘はない。
関ジャニ∞は14年目の大きな塊の上に一つ、新たな経験値を積み始めた。

 


名古屋公演。
札幌から、1週間後。3日連続公演。
言い聞かせる訳でもなく、力強く「6人の関ジャニ∞、俺はかっこいいと思います」と挨拶で話した大倉くん。新たに加わった歌割りを忘れてしまい「すばるくんの所、歌い忘れちゃった…それだけはやらんとこうとしてたのに」と落ち込む丸ちゃん。泣いている客席に「名古屋!笑え!!」と叫んだ亮ちゃん。一歩先に行っときたい、札幌でそう言った通り、ファンの手を力強く引いて笑った。関ジャニ∞は、二歩目を踏み出した。

 


大阪公演。
関ジャニ∞を100とした時、7で割ると一人当たり14.28の関ジャニ∞を背負っていた。それを6で割る事になっても、16.66になる。一人当たり、背負う関ジャニ∞は2.38くらいしか増えていない。それくらい僕らはできる。だからツアーをやることを選んだ。」亮ちゃんのこの挨拶は記憶に新しい。彼らしい正論で、彼なりの優しさだった。
「いまだに僕は釈然としない部分もある、けど、彼が残してくれたものも沢山あって、そのお陰でもっと絆が強くなったような気がしてる。」大倉くんは一番、ファンのような考え方をこぼしてくれる人だった。関ジャニ∞が前を向いている事で同じように前を向ける人もいるけれど、どんどん周りが前を向く状況に苦しくなってしまう人もいる。前を向けない自分を責める人もいる。そんな時に大倉くんがふとこぼす小さな言葉に、会見の時の駄々をこねる不貞腐れた子どものような顔を思い出して、まだ燻っていても良いことを伝えてくれているような気がした。彼らの優しさは、すべて形も違っていた。

 


東京公演。
ツアーは折り返しに来ていた。「きついけどな」とカメラに向かって笑う安田くんは、本当にきつかったのだろうけど、それを決して顔には出さなかった。最後に立てなくなった雛ちゃんも、壇上では声を出すことをやめず、裏に回った途端に崩れ落ちたように見えた。色んなことがいっぱいいっぱいだった。命を削ってステージに立つようなものだけれど、ファンに見える場所で絶対に帆を下ろさない人達だった。

 


福岡公演。
追加、振替公演を除けば、国内でのツアー最終地。気付けば、ツアーが開幕してから2ヵ月が経っていた。「6人でここまで来れた、完走できたというのが、僕は全てかなと思っています。」という挨拶の最後に、心底ほっとした顔で小さく「良かった」と笑った大倉くんに、涙が溢れて止まらなかった。時々アイドルは、いつも強く前を向いてるなんて思い込んでしまいがちだけど、彼らだって人間で、不安で心配で、どうしようもない気持ちを抱えている時だってある。「皆さんが笑えるような、僕らも笑っていられるような、そんな未来を作っていきたい」「自分の信念に嘘をつかずに言葉を届けられるような自分でいたい」「楽しくやってこられた、1番の今年の財産になった」それでも、十分すぎるほど、沢山の嘘偽りない言葉をもらった。

 

 

 

関ジャニ∞が立ち止まらなかった理由。
関ジャニ∞が、渋谷さんのことを、安田くんのことを経て、一度中止でまとまった話を、それでも、今、このタイミングでも、もう一度ツアーをやろうと決意した理由。

 

立ち止まらない事を初めから正解だと確信していたからじゃない。悩んでもがいてぶつかって、初日まで不安を抱えて、それでも出した立ち止まらないという結論を「正解にする」ために走り抜けた。決して関ジャニ∞の2018年は美談ではないし、DVDに収録されている映像は極一部で、メディアを通して語られた思いも極一部で、そのほとんどが、きっとこの先語られることのないであろう、彼らだけが知る気持ちなんだろうけど。

 

 

それでも、良かった。
そこに居たのは、人間らしくて、弱気で、強気で、等身大の関ジャニ∞だった。冒頭でも書いたけど、単なるツアーの裏側ではない。関ジャニ∞と向き合う6人の、血の通った人生だった。

 

 

大倉くんが去年のANNで語った「いなくなった一人分を埋めるっていうと、7人だった時の自分たちを継続することしか出来なくなってしまう。」という言葉が、ずっと頭から離れなかった。
7人の関ジャニ∞を継続せず、且つなくさないことも、6人の関ジャニ∞を新たに作り上げることも、どちらもバランス良く保つという事はきっととても難しい。それでも彼らは笑って、それをやってのけてしまう。


6人の関ジャニ∞を固める一方で、特典映像の中で突然「すばるくん元気かな」「結構連絡してるけど」なんて言ったりする。そんな所も、泣けるほど大好きだ。そんな所も、とっても愛しい。

 

 


激動なんて言葉では表現し切れないほど、色んな思いで駆け抜けた2018年のGR8ESTというツアーを、やろうと決めてくれて、やり切ってくれた関ジャニ∞に、伝え切れない程の感謝と敬意を込めて。

 


GR8ESTが少しでも多くの人に見てもらえますように。(下にリンク貼ってますので、未購入の方は是非)

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