今夜の花火終わるまで

関ジャニ∞が好きな人のただの日記です。

その始まりと5つの180日に寄せて

 


関ジャニ∞、5人になったね」。

 

思い返せば、去年の10月からこの言葉を何度か言われてきたなと思う。実際に8人だったメンバーが5人になったのだから否定こそしないけれど、その発言をすんなり飲み込む事ができずに、心の中で小さな引っ掛かりを抱えていた。

そしてこの言葉はファンに限った話ではなく、関ジャニ∞本人達へも同様に幾度となく尋ねられた質問だったらしく、関ジャニ∞が新体制となってからの180日をカメラが追いかけた、3時間25分にも及ぶ今回のドキュメンタリー映像は「そして2019年、彼らは5になった。」という文言から始まる。

 


180日。

安田くんは、関ジャニ∞の音楽に真正面から向き合っていた。一つひとつ形も音の響きも違う会場で、音響チェックで率先してスタッフさんと話す。関ジャニ∞全体のバランスを聞いて、一番良い形で全員の音と声が響くようにと働きかけ、開演の数時間前には会場での声出しを欠かさない。安田くんは、昔からとても器用な人だ。なんてことない顔で、さらっと色んなことをやってのけてしまうからその凄さが伝わりづらい。背負っているものが普通の人の何倍の重さなんだろうと思う瞬間もあるけど、その重さも安田くんの中では「生きているからこそ」のものなんだろう。骨折がなければ手術の事は恐らく公表もされないまま、眼鏡をかけ続ける理由もファンは知らなかったかもしれない。この2年で、きっと誰よりも当たり前の幸せを痛感しているはずで、だからこそ今立っている場所は経験してきた事を伝えられる、安田くんにとっての生きる場所なのかもしれないと思った。

 
180日。

丸ちゃんは、グループでの47都道府県ツアーを行いながら、京都で目紛しいスケジュールでの主演ドラマ撮影に挑んでいた。長距離移動が続き、どことなく疲れた表情で会場入りしても、関ジャニ∞の中にいるうちに徐々にいつもの調子を取り戻していく姿と、それを見て楽しそうに笑う関ジャニ∞が愛おしかった。関ジャニ∞TVでも、毎公演率先して今の関ジャニ∞を届けようとしてくれるエンターテイナーだった。グループに居るからには何らかの貢献をしたいと楽器屋巡りを欠かさず、驚いたのが丸ちゃんがツアー後半のセットリストを組んでいた事だった。よく自身のDVDを見返すと言っていたし、関ジャニ∞の歌であればいつの歌でもどの歌でも歌えてしまうと言う丸ちゃんの、セットリストを考えている時の表情がとてつもなく楽しそうで、丸ちゃんが思う「この関ジャニ∞、楽しくて可愛くてかっこいい」というステージを1日でも早く披露できる時が来ればいいなと願った。

 
180日。

横山さんは、連ドラを撮影しながらの47都道府県ツアーだった。公演本番ギリギリ前までマーカーを手に台本にかじりつく姿は、多忙を極めている事がよく分かった。それでも、安田くんからボイトレをしないかと誘われて「関ジャニ∞の為になるなら」と快諾した話が、音楽のことはあれだけ無理だと言っていたのに「バンドの為になるなら」とトランペットを始めた時と重なる。横山さんはそういう、誰かの為に自分を果敢に変えていける強さを持った人だった。メンバーが減ったことは寂しいですかと問われ、濁しながら最後まではっきりとした答えを出さなかったのも、優しくて好きだった。今もまだ寂しさを感じる時があることも、寂しくないと思える時があることも、横山さんにとってはどちらも本当なのだと思う。横山さんは、いつだって関ジャニ∞という場所で感じた気持ちを大切にしている。

 
180日。

雛ちゃんは、ツアー初日3日前に27時間テレビを終えていた。終わってから、まだ特番1本くらいなら撮れると笑っていた3日後、本当は27時間テレビの本番中から身体には限界が来ていたことを、初日を迎えた松竹座の楽屋で鍼を受けている姿を見て知る。リハーサルに肩甲骨を傷めて現れ、のそのそと痛そうに動く姿もあった。どれだけ多忙でも、どれだけ限界が来ていても、雛ちゃんは一人フラットでいることをやめない。どんな状況であってもひとたび表に立てば、何でもないように飄々と振舞って、見る者を安心させてしまう。本当に凄い人だと思う。だからそんな雛ちゃんの、寂しさは話し合ってる時がピークだったと教えてくれたり、今は寂しさなんかで振り返ってられない、と本音のような言葉を聞いたりすると、フラットではない、嘘偽りない部分にも見る側はとても助けられていると感じた。

 
180日。

大倉くんは、自分たちのコンサートの構成のみならず後輩のコンサート演出や指導をも並行して担当していた。元々物事を俯瞰で見られる人だったけれど、指導に携わるようになってから、より「受け手からの見え方」を考えてくれているんだと感じる事が増えた。動員数の少ないツアーで観に来られる人は限られるから、皆に還元できるものをと関ジャニ∞TVを発案し、自宅でこもるファンに向けてメンバーが日替わりでショートラジオを更新するようにしてくれた。今回のMVも、ファンとの共作なのにファンが置いてきぼりにならないように、と内容の修正を提案してくれていた。何かを考え、伝え、形にする力が誰よりもある。社長やプロデューサーと呼ばれる事もあるけど、関ジャニ∞の戦力になりたいと苦手だった高音を克服するためにボイトレも始めた。それは俯瞰で見る力を極めてもなお最前線に立つ、最強のアイドルの姿だった。

 

 

5人の180日を見て、関ジャニ∞は本当に「減った」のだろうか、と考える。


元を辿れば8人を好きになった事は事実だけど、7人の這いつくばって泥だらけでがむしゃらな所も、6人の目の前にある弱さも強さも隠さない真っ直ぐさも、5人の手を引いてくれるような優しさと全てに向き合う誠実さも、同じくらい好きだと思えた。そこに好きの優劣はつけられない。5人の関ジャニ∞だから、今こそ応援しなければ、と思っている訳ではない。私はそこに居てくれるのが「関ジャニ∞だから」応援したい。

そう思えるドキュメンタリーだった。

だから、「5人になったね」と言われる事に小さな引っ掛かりを感じてしまった。今現在、5人になった事に変わりはないんだけれど、それによって関ジャニ∞の何かが大きく目減りしたとは感じない。勿論、歌割りやダンスのフォーメーションが変わり、楽器の音が減り、歌声が減った。一人一人に当てられた役割も比重も、そのままでいられる訳ではない。関ジャニ∞の中の、間違いなく大きな変化だと思う。一人ひとり、役割を増やし、何かを始め、関ジャニ∞と向き合った。その「変化」は、人数こそ減ったかもれないが「関ジャニ∞の中の何かの減少」だとは思えなかった。

 


グループ、個人でそれぞれ持つレギュラー番組数本に、ラジオ、雑誌、ドラマ。それに加えて、2度目の47都道府県ツアー。同じ日に県を跨いでの2公演を詰め込むほど、多忙なんて言葉じゃ表せないほどのスケジュール。現地集合、現地解散も珍しくなく、コンサートが終わればその足でまた個人の仕事へ向かい、一つ仕事を終えてまた別の場所のコンサート。一つ一つ会場の大きさも形も違って、1公演ごとにセットを組み直し、音響を確認し、リハーサルをする必要がある。

それなのに、関ジャニ∞は楽しそうだった。大変な事には変わりないけれど、関ジャニ∞は穏やかで、落ち着いていて、どこか一つ大きな山を越えたような表情にも見えた。今も新しい山の頂上に向かって、登っている途中だとしても。

 


このツアーが発表された時、一度目の時とは仕事環境が大きく変わり過ぎているのに、そこまでしてツアーを行うのはなんでだろうと思っていた。満身創痍の関ジャニ∞を動画で見て、ゆっくりしてくれてもいいのにと思った。心身共に大変な2年間だっただろう。だから、怒涛のドームツアーが終わった今、少しはゆっくり休んでも、誰も何も言わないのに。このまま走り続けて、関ジャニ∞がまた壊れてしまったらどうしよう。そう思っていた部分もある。

 


でも、映像を見ていたら「もう俺ら大丈夫やで」なんて言葉はなかったのに、何故か「もう大丈夫なんだな」と思えた。関ジャニ∞はいつだって走り続ける人達だけど、誰かの息が切れたら全員で立ち止まるし、誰かが「走るのは違うんじゃないか」と声を上げたら全員でその場に座って作戦会議してしまうような、そんな空気があった。今、関ジャニ∞が走っているのは、がむしゃらだからではない。

 


Re:LIVEの2番に「始まりを終わりにして」という歌詞がある。この2年間で、関ジャニ∞は2度の大きな「始まり」を経験した。2018年7月15日の札幌と、2019年10月1日。どちらも関ジャニ∞にとっては「新体制での再出発」という名の「始まり」だった。それをもう今回で「終わりにする」と歌っている。ぼちぼち大切な夜での会話に出てきた「次(こういうことがあったら)はもう(関ジャニ∞を)閉じよう」「閉じる時はみんなで」「でも、閉じることは考えずにやろうな」「もちろん」「でも、それくらいの覚悟じゃないと」。関ジャニ∞のこれから先の未来で「もしも」があった時、また次「始まり」を切ることはないのかもしれない。でも、それくらいの覚悟で今回の一歩を踏み出した。「次の始まり」はもしかしたらないかもしれないけれど、関ジャニ∞は「この始まり」を手放さない覚悟でそれぞれが息を整えて、せーので踏み出したんだと、思えてならない。だからこの歌詞が好きだ。

 

 

 

関ジャニ∞、5人になったね」。

 
確かに5人になった。でも、それだけじゃない。いつだって、どんなプラスもマイナスも全部飲み込んで「関ジャニ∞」にしてしまうグループだ。ステージに対して貪欲で、現状に満足する事はない。強くて優しくて、誠実で不器用。いくつになっても同じ事で大笑いして、何年経ってもふざけてばかり。8人も、7人も、6人も。そして、5人も同じ。

 

 


変わらない、私が大好きな「関ジャニ∞」だ。大切な事の目盛りは、何も減ったりしていない。そう思う。